健康づくり支援活動

軽体操

 介護予防教室などの雰囲気づくりやウォーミングアップ、話のきっかけづくりに活用できる簡単な体操です。
 また、お遊戯、歌を嫌がる人は意外と多い(特に男性)ですが、それぞれのメニューの「理論づけ」をすると納得して参加していただけます。

§手の体操
すりすり
*すりすり
@手のひらをこする(いただきますの状態)
A上下にしてこする(肩の支持力向上=上半身の安定)
B裏返してこする(上の手を回す)
★指のこわばり、血流をよくする効果あり

いただきます
*いただきます
@「いただきます」で押し合いっこ(手首が90度に曲がるかどうか)
 *手首の柔軟性
★手首が硬いと立ち上がりなどで、手のひらを床につけない、あるいはついたときに折れる
⇒げんこつ、指で床について立ち上がる(つらい、不安定、けが)
A(@の状態で)手首を前後に振る(車軸関節)
★手首の関節をやわらかくする効果あり

きらきら
*きらきら
@手を開いて手首の関節を回転させる(車軸関節)
★できないと、わき(前鋸筋:ぜんきょきん)を開いて食べるようになり、汚す
⇒わきが開くので、パンツをはくとき股も開くようになる(頚椎に負担がかかる)
⇒ひじも曲がってしまう
★上半身が不安定になることへの回避運動

にきにぎ
*にぎにぎ(頭の体操、認知症予防)
@両手指を組む
A(親指の上下を換えて)指を組みかえる
B「えっさ、ほいさ・・・」と繰り返しながら、すばやく組み替える
★「右親指が上の人は、料理番組でメモを取らない、料理番組を最後まで見ずに、買い物に行ってしまいます」右脳派。「左が上の人は細かくメモを取る人、理論派」左脳派。

腕組み
*腕組み
@腕を組む
A逆に組んでみる
 逆に組んだつもりでも、上に出ている手が変わっていない
 コツは腕で×を作って、上の手を中に入れる
 「バッテン、入れる・・・」と繰り返しながら、すばやく組み替える
★「右腕が上の人、気をつけで話せません。頭脳派でスポーツ、将棋、職人に多いです(長島監督派)」
 「左腕が上の人、気をつけで話します。時間に遅れるときは『あと3分遅れるわ』と時間まできっちり言うタイプ。データをとってしゃべる弁護士、教授に多いです(野村監督派)」

§肩の体操
肩甲骨の開閉
*肩甲骨の開閉
@腕を交差して肩にさわる
A交差せずに両手で肩にさわる
B両手で頭にさわる
C両手でおなかをさわる
「1・2・3・4、1・2・3・4・・・」と声かけながら、すばやく@〜Cを繰り返す
★肩甲骨が開きっぱなしになると、洋服が着れなくなる。
 伸びる服や、服を伸ばして着るようになる。「好きな服が着れるようになりますよ♪」
★「わっはっは体操」も同じ効果

§太もも(内側、表)の体操
*さする
@太もも内側(あぐら)
A太もも上、外側(足を伸ばして)
Bすね(ひざを曲げてもよい)
★「すね、ひざ、もも、どこが一番太い?」「ももが太くてOK」「同じ太さとか、もものほうが細くなると、歩けなく(寝たきりに)なります。すねは骨が2本、太ももは1本しかないんですね」
さする1 さする2 さする3

§お尻、おなかの体操
★「座ったまま片方のお尻を上げて、肉がつかめますか?」
⇒お尻の筋肉(大臀筋)がなくなってくるとつかめなくなる。座布団なしでは痛くて座れなくなる

*失禁予防
@腹圧を入れる(おしっこ、おならを我慢する感覚、骨盤底筋の体操)
 床に座っている(おなかを緩めている)とお尻に骨を2つ感じる
 腹圧を入れると2cmくらい下がり、骨を感じなくなる
 骨盤底筋群はおしっこ、おならを我慢する筋肉
★日本人の1/3は痔持ち。いきむと血管が縮んで痔になり、血圧も上がりやすい。
 「おなかに力を入れても、顔は緩めましょう。排便するときも同様に」呼吸は大切です!!
A立ったまま机に両手をつきひざを緩め、ゆっくりひざを伸ばす(繰り返す)
          
失禁予防1  失禁予防2

§足指の体操
★手の指に比べ、足の指関節は大きく回り、よく動くつくりになっている

*指ゆすり
@親指と小指を持って、互い違いにゆする
A薬指と人差し指を持って、互い違いにゆする
B中指をぐるぐる回す
 指ゆすり1  指ゆすり2  指ゆすり3

*指まわし、ツボ押し
指まわし、ツボ押し
@小指を回す
A小指の爪をつまんでひねる(マヨネーズのキャップをひねるように)
B小指の爪の付け根をつまんで押す
C小指と薬指の間(水かき)をつまむ
D順に薬指から親指まで、@〜Cまでを同様に行う
★「親指の大きな人は健康である」と中国では言い伝えられている=親指には頭の反射区・肝・脾の経絡があります
★爪の縦線(すじ)は老化現象だが、爪の付け根をもむときれいに生えてくる
 爪は皮膚と同じタンパク質で形成されており、爪の状態が悪いということは、皮膚の状態や血液循環が悪いということ
★内反小趾(ないはんしょうし:小指が親指側に曲がってしまう病気)や小指の爪が生えなくなる、小指の外側にまめができるのをこの体操で予防できる
★訪問介護利用者などで水虫の人は、消毒液につけた後、爪きりし、タオルで拭いてあげることでマッサージ効果が期待できる

<足の甲を観察してみよう!>
◆足の甲のタイプと体型
 @実(じつ)タイプ
  足の甲が厚い ⇒骨が太い ⇒やせられない
 A虚(きょ)タイプ
  足の甲が薄い ⇒骨が細い、胃腸が弱い、下痢しやすい ⇒やせている
 B中庸(ちゅうよう)
  足の甲も、体型もふつう
◆足のうら
 踵(かかと)がさがさ ⇒腰が悪い人

§O脚、X脚改善の体操
床に座り、足の側面をストレッチしましょう。足首や足裏の筋肉は膝下まで伸びています。そこをケア、O脚・X脚の予防・改善しましょう

くるぶしの観察
*くるぶしの観察(内側と外側を比べて)
@外側が大きい ⇒O脚 ⇒足の小指側の側面を持ち、外くるぶしの方に引き、内側の筋肉を伸ばします
A内側が大きい ⇒X脚 ⇒足のうらの親指側を持ち、内側に引き、外側の筋肉を伸ばします
B同じ出っ張り&高さ ⇒good
★足関節は26個の骨で構成されており、側面などをケア(伸ばす・もむ)、青竹ふみ(内外平行に)をすると改善しやすい

§ふくらはぎの体操
ふくらはぎマッサージ
*ふくらはぎマッサージ
@床にひざを立てて座る
Aかかとからひざうらに向かって、ふくらはぎのうらの中心から内側・外側に両手指を使って揉みほぐしていく(足首からひざ裏に向かい)
★ふくらはぎの裏にある誹腹(ひふく)筋とヒラメ筋をもみほぐすことで、ツボ経絡に刺激を与え、腎・膀胱系の効果である、おしっこの出がよくなったり、むくみが取れるといった効果、解毒作用が期待できる
★いすに座っている際は、足を組み、反対の足の膝小僧がふくらはぎの真ん中にあたると人知れずマッサージ効果が期待できる

§太もも(うら)から腰の体操
*太もも、お尻、腰のマッサージ
@(片方ずつ)太ももの裏を下から上へさする(持ち上げるように)
★足の付け根に流し込むように
A(片方ずつ)お尻を下から上に手のひら全体で持ち上げる(数回)
★腰の方までしっかりと引き上げる
B(片方ずつ)腰から前へおなかに向かってさする(お肉を前にもってくるように、数回)
★腰骨の後ろから前へ流すように
★「ふくらはぎマッサージ」「太もも、お尻、腰のマッサージ」の一連の動きを片足だけやって片足立ちしてみると、安定感が全く違うのがわかる。転倒率減少が期待できる。また、お尻も少しアップするが持続効果は短時間

§ひざ、太もも(内側)の体操
*足の血流促進(ツボ:血海刺激)
@床に座って両足の裏を合わせるように座る
Aひざの内側のくぼみ(血海)を、軽く握ったこぶしでたたく
B太ももの内側も同様にたたく
★高齢者で寝たきりの人などには、入浴後タオルでこすってあげるとよい
★たたくことで、二の腕の天然振袖が取れる
 
足の血流促進1 足の血流促進2 足の血流促進3

§2人1組で体操
*背部のマッサージ
@じゃんけんをして、勝った人は楽に座る(あぐらでよい)。負けた人は後ろに回る
A手根部(親指の付け根)で背中のアイロンがけ(3往復)
B肩甲骨の周り(みぞ)を手根部でぐりぐり回す
Cうでから肩の付け根にかけてのへこみをぐりぐり
★疲れている人は痛い。肩こりの原因
 
背部のマッサージ1 背部のマッサージ2 背部のマッサージ3
Dピーマン尻(中臀筋:立つときに使う筋肉)をぐりぐり
★指でさすらないように注意する。手根部で強めに行うのがよい
E「お水をすくう手」でパカパカ背中をたたく(全体に、かゆくなるまで)
★手のひらでたたくと、骨、神経に障り痛いし、筋肉も傷める。パカパカだと血行がよくなるし痛くない。パカパカでたたく側の手首の柔軟性にも役立つ
                     
背部のマッサージ4
*足ゆらし
@(A)は足をやや開き仰向けに寝る。(B)は足元に座り両足の甲(指の辺り)に両手をのせ、ゆする((B)は自分の天然振袖をふる)
★力なくバイバイするように振る
★目を閉じてやるとうまくできる。目を開けてやると自分の首を振りがち
★下肢を緩める効果
A足の甲(指の辺り)を手で踏む(バウンド。ひげダンスのイメージ)
★手は足の甲に乗せたまま行いましょう
★内臓を暖める作用あり。寝ている人の内臓を揺らすイメージ。非常に気持ちがいい
B足首を持って閉じ、(B)は体の横に移動し、両足首を持ち、扇を描くようにゆらす(ごぼうを水でゆすぐイメージ)
★細かなゆれよりも、力を入れずに大きく揺らすのがポイント
 
足ゆらし1 足ゆらし2 足ゆらし3
かかと持ち
*かかと持ち(腰の牽引)
@(A)のかかとを両手で持ってひっぱる
★ひっぱりあう事で、(B)のストレッチになる


(平成20年6月20日 憩いの場検討会
     講師:生涯体育学習振興機構 漆崎由美 氏 講演内容より抜粋)

 

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