健康づくり支援活動

要介護にならないために

わが国は、いまや世界有数の長寿国であり、その一方で加齢や生活習慣病の増加に伴い認知症や寝たきりなどの要介護状態になる人々が増えています。元気で長生きできる期間(健康寿命)を伸ばすためには、若いときからの食生活や運動習慣などの生活習慣を改善し、生活習慣病等を予防することが大切です。

介護予防のポイント

(1)脳血管疾患の予防

要支援、要介護など介護が必要になった原因(以下“要介護の原因”という)の第1位は、「脳血管疾患(21.5%)」で、その後遺症(半身マヒなど)が原因となっています。脳血管疾患を引き起こす原因として「高血圧」「動脈硬化」などがあげられ、生活習慣病の予防が重要視されています。


  
(2)転倒・骨折の予防

高齢になると骨粗鬆症等による転倒・骨折が多くみられ、“要介護の原因”の第5位(10.2%)となっていることから、日頃からバランスの取れた食生活や適度な運動を行うことにより、その予防に努めることが必要です。
高齢者向け転倒予防体操

(3)認知症の予防

認知症は、本人はもとよりその家族の“生活の質”を極端に低下させるとともに、認知症により廃用症候群が進行すると寝たきりにつながります。福井県の高齢者に占める認知症高齢者数の割合は全国に比べ高い傾向にあるといわれており、その予防が重要視されています。

(4)低栄養の予防

「食べること」は、高齢者の楽しみ・生きがいであり生活の質を高めることになりますが、低栄養状態になると認知機能や運動機能の低下、床ずれの原因となります。栄養改善は、身体活動の増加・脳の活性化につながり廃用症候群の予防になります。
低栄養を防ぐ食生活


(5)誤嚥性肺炎の予防

嚥下機能(飲み込む力)が低下することで、誤嚥性肺炎を引き起こすことにつながります。肺炎は寝たきりの原因となるとともに、高齢者の死因の第1位となっています。誤嚥性肺炎など呼吸器疾患の予防には、嚥下機能を維持・改善する嚥下体操を行い、併せて口腔内の清潔(うがい・歯磨き・義歯の洗浄など)を保持することが必要です。
誤嚥性肺炎とは、口腔内の細菌が食物などと一緒に、誤って気管へ入ってしまうことで起こるものをいい、食事中に“むせる” “飲み込みにくい”などの症状がある人は、特に注意が必要です。