高血圧
高血圧の状態が長く続くと、心臓や脳などの血管が傷むとともに、心臓自体にも負担がかかり、狭心症や脳卒中(脳出血、脳梗塞)などの危険因子となります。
高血圧の治療の三原則は、(1)バランスの良い食事 (2)ストレスを避ける (3)運動ですが、なかでも大きな位置を占めるのが毎日の食事です。健康的な食事は健やかな人生を送る基本と考えて、根気よく取り組んでいきましょう。
肥満を防ぎましょう!
- 肥満者とはBMIが25以上の人のこと。
特におなかの出たりんご型肥満(内臓脂肪型肥満)の人は、まず第一に体重コントロールに取り組まない限り、いくら減塩などの努力をしても血圧は下がりません。
肥満は心臓や内臓に負担をかけ、血圧を高くすることになります。
教えて!生活習慣病『肥満』へ

塩分を減らしましょう!
ナトリウム(塩分)を摂りすぎると、血管の収縮が強まり、血圧が上がります。
日本人は20歳以上で1日平均10.7gの塩分をとっています。(平成21年度国民栄養調査結果より)健康な人でも1日に、男性で9g、女性で7.5g、血圧が高めの人は6g以下を目指しましょう。
- 味つき食事を週1回に
- 丼物、炊き込みごはん、カレーライス、チャーハン、ラーメン、うどんなど味のついた主食は週1回に!
めん類は汁を残しましょう。
- 漬物、干物などの塩蔵品は控えて
- 3食ごとに食べていた漬物を週1回以下にするなど、「なんとなく減らす」のではなく「明らかにわかるように回数を決めて減らす」ようにしましょう。干物は塩分が多いだけではなく、油が酸化しているので、できるだけ控えたほうがよいでしょう。
- 汁物は1日1杯までに
- 生活習慣病の予防には和食のスタイルが適していますが、みそ汁などの汁ものは1日1杯までにしましょう。
カリウム摂取量を増やしましょう!

カリウムは細胞の内外でナトリウムと拮抗して働き、余分なナトリウムを尿中に排泄し、血圧を下げてくれます。
- 野菜・果物・大豆製品を多くとりましょう
- 野菜や海草はカリウムが多く、低エネルギーです。また、バナナ、キウイフルーツ、メロンなどの果物をはじめ、ほうれんそう、かぼちゃ、にんじん、トマトなど緑黄色野菜は特にカリウムが多く、ビタミン・ミネラルも豊富な食品です。これらの濃い色素のなかには抗酸化物質が多く含まれ、高血圧の人に起こりやすい血管の老化(動脈硬化)を予防する働きがあります。
また、煮豆や納豆など大豆製品にも、カリウムをはじめ、降圧作用のある大豆ペプチド、抗酸化作用のあるイソフラボンを含み、同様に働きます。
野菜は毎食1皿以上、大豆製品や果物は1日1回は食べるように心がけましょう。
良質の脂肪酸をとりましょう!
同じ動物性食品でも、肉に多く含まれる「飽和脂肪酸」と、魚に多く含まれる「不飽和脂肪酸」の機能は大きく異なります。
- 肉より魚を多くとりましょう
- 魚の中でも、脂肪の多いさば、さんま、いわしなどの青魚や、まぐろのトロ、はまち、ぶり、うなぎ、にしん、すじこなどには、直接血圧を下げる作用があるだけでなく、血栓(血液の固まり)を防いで、血流をよくするEPA、DHAが豊富に含まれています。ただし、干物はこれらの油が酸化しているので控えた方がよいでしょう。
寝る前の水分補給を!
- 高血圧症の人は脱水により、血液粘度が高くなり血栓ができやすいので、日頃の水分補給を忘れないことが大切です。
特に就寝前や、運動前の水分補給を忘れないようにしましょう。


市販食品に任意で表示されている「栄養成分表示」には健康増進法によって表示のルールが定められています。
- (1) 表示単位 : 100g、100ml、1食分、1包装、1枚、1粒など。
- (2) 含有量 : エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムが必ず表示される。
消費期限または賞味期限中は表示された含有量であることが求められる。 - (3) ナトリウム : 食塩の量ではなく「ナトリウム」量が表示される。
市販食品のナトリウムは"mg"単位で表記されることが多い。
g単位(1mg=0.001g)に直して
ナトリウム(g)×2.54=食塩量(g) で食塩相当量に換算できる。 - (4) その他の表示 : カルシウムやビタミンなど必須の5項目以外の表示。
- (5) 強調表示 : 「ビタミンCが多い」「塩分控えめ」「鉄分供給」など。
- 食塩を多く含む食品
所在 1食の目安量 含有量(mg) 塩ます 1切れ(60g) 3.5 丸干しいわし 2尾(40g) 1.5 さつま揚げ 小2枚(60g) 1.1 ロースハム 2枚(40g)
1.0 みそ 約大さじ2杯(40g) 5.0
()内は正味の重量